日本で生まれて日本で育った在日韓国人3世として、普段考えていること、面白いこと、興味を持っていること、みんなに知ってほしいなぁ~と思うことなどを交えながら、ブログを使って発信していきます。
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事実を基にしたフィクション。-殺人の追憶-
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殺人の追憶(サリネ チュオク)
※この映画は、DVDをレンタルして見ました。
たしか去年の今頃には全国放映されていたと思います。

「ほえる犬は噛まない」のポン・ジュノ監督、主演は「JSA」「シュリ」「反則王」「大統領の理髪師」で主演しているソン・ガンホと、「気まぐれな唇」のキム・サンギョン。
ソン・ガンホが田舎の「頭を使う位なら脚を使え!」といった現場主義の堅物刑事役でいい味出してます。
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とある田舎町で女性を狙った連続殺人事件が起こる。そこで現場主義の刑事(ソン・ガンホ)と、ソウルから来た冷静な分析から事件の解明を進めていく刑事(キム・サンギョン)が、始めは対立しながらも協力して事件を進めていくようになっていく、そんなストーリーです。
監督は出演者の顔をかなり意識して撮っていたそうで、そのせいか刑事たちのあせりやいらだちが、表情を通して非常によく伝わってきます。
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疑わしい人間が何人か捕まり取調べを受けるのですが、やり方が過酷です。調べているというよりリンチになっています。今ではどうだか分かりませんが、かつては相当強烈な「取調べ」が行われていたようです。

恐ろしいのは、実際の事件では逮捕者が何人も出て、犯行の自供もしているのに全員が証拠不十分で釈放されていることです。きっと自供しても無罪になるのは、映画にあるように取調べをする刑事たちがむりやり「やりました」と言わせているからなのでしょう。そしてあまりの「取調べ(=拷問)」の過酷さに被疑者が死んでしまうこともあったそうです・・・
これ、ほんの15年位前の話ですよ!
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そういった意味では、単に連続殺人事件を扱ったサスペンスもの、というよりも80年代韓国の「暗部」を描いた映画だと言えますが、これは製作者側の意図があったようです。

映画の背景には韓国の「80年代の無能さ」が描かれています。刑事達があれほど情熱を傾け、大量に警官が動員されたのに何故犯人を捕らえられなかったのか?当時の軍事政権時代の象徴として、国民を守るはずの機動隊によるデモ鎮圧や民間防衛本部による夜間灯制の場面を描いています。80年代は個人を救うことより政権を守ることが大事な時代でした。経済的には「奇跡の時代」とも言われ、88年のソウル五輪開催が時代の「明」だとすると、「暗」は軍部独裁によって殉じたデモ学生達や劣悪な労働環境が挙げられるでしょう。当時の新聞の一面を見ると「五輪開催」の大見出しの下に、小さく「ファソンでまた死体発見」と載っているんです。連続殺人というのは「個人対個人」ではなく「個人対社会」の対決です。未解決のままということは、社会が個人に負けたということでしょう。

サスペンスもの、ましてや殺人事件を扱っているという意味では好き嫌いも分かれると思いますが、「事件を通して韓国の暗部を明かす」という作り手側のテーマが伝わってくる良作です。
ちなみに「カル」みたいなグロさはないです。
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コメント
この記事へのコメント
はじめまして。
krioさんのところから飛んで来たurgaと申します。
どうぞ、よろしくお願いします。^^
RollerCoasterお好きでしたら、
ぜひ「春の日の熊は好きですか?」の
サントラを聴いてみてください。
オススメです。

「殺人の追憶」は韓国映画で一番好きな作品です。映画館で3回も観ちゃいました。^^;
(1回はkrioさんとご一緒しました)
ポン・ジュノ監督の次回作はすでに高値で日本の配給会社に(撮影前にもかかわらず)買われたそうで、かなり期待しています。
また遊びに来ますね。では。
2005/04/22(金) 18:46:28 | URL | urga #dZ2c3wmQ[ 編集]
サントラが気になるこの頃。
こんにちは!

春熊(一応見たことあります)のサントラは非っ常~に気になってきました。これも皆さんのおかげ(笑)
是非とも手に入れてそのうち記事化しますのでよろしくです。

私が一番たくさん見た韓国映画はJSAです。映画館で1回、家で4回位(数えていないので不明)です。
最近は質より量になりがちです・・・
そのせいか、「心の一作」という映画にあまり出逢わなくなりましたが、映画を見る「力」のようなものはついてきた気がします。

urgaさんにとっての「殺人の追憶」のように、何度見ても飽きない、都度新たな発見があるような映画を発掘したいですね。

urgaさんのブログも内容が充実していますね!ちょくちょく遊びに行きます。今後もよろしくおねがいします。
2005/04/23(土) 00:53:30 | URL | ZYZY #GzvTJWb.[ 編集]
我人生ランキング上位です
TBありがとうございました!
urgaさんもさっそくコメント書いていますね。彼女のほうがファン度が高いです(笑)

確かにこの映画の奥深いところは「韓国の暗部」を描いていてそういう意味で社会派ですよね。でも笑いもあり、悲しみもあるところが映画として成立してますいい作品ですね。
初めて観た韓国映画は「カル」でした。懐かしいですねー横浜・伊勢佐木町の映画館で観ましたよ^^

2005/04/23(土) 20:50:29 | URL | krio #O8F7qbgM[ 編集]
社会派好きです
さっき反則王見ました。
ガンホ先生はやっぱり演技派ですね。

私が韓国映画全般の「いいな!」って所は、社会派映画をキチンと出してるってところです。そしてそれがちゃんとヒットする。
映画を娯楽として楽しんでもらいたい!でも、私は今の社会にこんなことが伝えたかったんだ!そういうメッセージが聞こえてくる、そんな作品がとても多い気がします。

社会派ってのも境界線があいまいですが、ヘタするとただのプロパガンダ(政治宣伝)映画みたいになってとんでもない駄作になりかねないじゃないですか。
日本ではそんな冒険をする映画監督は少ないですよね。
そんな中で最近見た映画で好きなものは「パッチギ!」です。
暴力シーン多いですけど。

これには、日本と韓国の土壌というか、国民性・民族性みたいなものもあると思います。

カルは・・・えーと、アレですねえ(笑
2005/04/23(土) 22:26:49 | URL | ZYZY #GzvTJWb.[ 編集]
ガンホ先生万歳
ご覧になったんですね^^
サリニチュオク同様ガンホキックがキテますよね大好き!

「パッチギ!」は観たかった映画です。なんだかんだで井筒監督の歯に衣着せぬ物言いが大好きです。DVDでたら観ようと思っています。
TBさせていただきました。
2005/04/23(土) 23:24:45 | URL | krio #/KhlWUHQ[ 編集]
パッチギDVDの発売日
パッチギ!DVDは7月29日発売みたいですよー。まだしばらく先ですね。
私も出たらゲットして今度は家でゆっくり見ようと思います。
2005/04/24(日) 02:02:08 | URL | ZYZY #GzvTJWb.[ 編集]
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2005/04/23(土) 23:19:47 | 人生映画でまわってる
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